樋口研究室「部下をコーチングしてくれ。そう言われたエンジニアが読む本」 |
ITコーチングは、SEやプログラマなどのエンジニアが「システム構築を成功に導く」能力を獲得できるようにする新しいスキルアップ手法のことです。 目標を対象者自身が設定し、その目標を達成するための解答を対象者に“気付かせる”手段をとるのが特徴です。 本書では、エンジニアに不可欠な能力を効率よく習得するために、実践的なITコーチングのやり方や進め方を紹介しています。 筆者が主宰する樋口研究室では、10年以上にわたって実施したエンジニア向けコーチングの結果からパターン(傾向)やプロセス(手順)を割り出し、ITコーチング手法として整理し、サービスやメニュー化しており、これらのITコーチング手法の内容を詳しく解説しています。 本書の最初の章では、まずコーチングとは何かを説明します。その後、ITコーチングのような手法が必要となる理由を学びます。 例えば、なぜITコーチングのような手法が必要になってくるのか。その原点はシステム構築の現場にあります。 システム開発プロジェクトの現場をみますと、トラブルがいまだに後を絶たないという現状があります。 エンジニアがスムーズに技術を習得できない、誤った設計をしてしまう、プロジェクト体制がうまく機能せず納期に間に合わない、運用や機能変更に対応できないといったことが、決して珍しくありません。 いまやこういったシステムはごく一般的な存在ですが、しかしよくかんがえてみると、必要な技術を解説した専門書は数多いし、ネットを通じて相当な量の情報が入手できます。お金や時間に余裕があれば、研修やセミナーに参加することもできます。このように技術を獲得するのは、非常に容易な状況にあると思います。 それにもかかわらず、なぜシステムの構築につまずくのか。本書はまずその原因と解決策を探りながら、実践的なITコーチングの使い方を解説していく構成になっています。 |