なぜ能力が高いとか仕事の出来る社員がリストラ(人員削減)の対象になるのか。その仕組みはこうです。まず会社の財務部門から部署(事業部やビジネスユニット)単位に人員削減の予算が決まります。次に事業部長(部長)は課長にその予算を配分します。そして課長はその配分に合わせてリストラの対象社員(候補者)を選びます。課長は課のメンバーに大きな失敗をした(事業に損失を与えたような)人がいるとか、病気がちなメンバーがいるとか、勤怠の悪いメンバーがいるような場合、そういうメンバーをリストラの候補者に選びます。でもどのメンバーも、さほど失敗していないメンバーだったら、一番たくさん給料をもらっているメンバーをリストラの候補者に選出したりします。リストラの目的は固定費や人件費などを削減する目的で実行されるので、リストラの結果、事業(業務)の内容や品質が低下する「デメリット」よりも、利益の減少時に経費(コスト)を削減させて会社の利益率を維持とか向上させる財務の「メリット」が優先されます。ですから、能力の高い社員とか仕事が出来る社員(高い給料をもらっている可能性あります)がリストラ候補者になりえます。そう考えると部長や次長、課長も給料が高いケースが多いので常にリストラの候補者になっているといえます。会社経営とは本当に厳しいものですが、そういう会社では、能力の高い社員はスッパリと会社を辞めて次のステップに移っていきます。ご自身がリストラの対象になった時、会社に「残る」のか会社を「去る」のか、かなり悩むと思います。でもそんなタイミングになってしまってから「悔しく」なったり「悲しく」なったりするよりも、現状に甘んじるのではなく、今の時点から、再び景気が悪くなるとか、経営が危うくなるとか、会社が吸収とか合併されてしまうとか、そういう状況を想定して、しっかとご自身の価値を磨いておくことが大切だと思います。あなたの仕事は、会社に守られているとか、会社のネームバリューがあるとか、会社の後ろ盾(だて)があって始めて成り立っているような仕事ではありませんか。もしそうだったら、ご自身の会社という土台が無くなってしまうと「しんどく」なります。「ご自身で生きていける力」、「社外(会社以外)に問える力」、「会社にしがみつかなくても生きていける力」そういう力を蓄積するように考えるとか実行に移していく。これが今の社員(従業員)のキャリア開発として必要になってきています。忘れないようにしっかり行動よろしくお願いいたします。