感染拡大の制限の緩和がスタート
2020年の春。日本の感染者の拡大が始まりました。
そしてこの9月。2年6カ月もの間、何度も感染者の数を上下させて、ようやく以下の制限緩和がスタートしました。
■WHO(世界保健機構)が、世界の感染者数が減少したとアナウンス。
■2価(旧い株とオミクロン株)のワクチン接種が始まる。
■外国人の個人旅行解禁と国内の全国旅行支援がスタート。
■日本で感染者の全数把握をやめる。
■治療薬(飲み薬)が通常の医薬品と同様、入手しやすくなった。
感染の終息に光が見えてきたのでしょうか。
嬉しい反面、通勤嫌いの会社員は、在宅勤務やリモートワークが無くなり、気が重い人がたくさんいるように思います。
会社の緊急勤務マニュアルの改定が始まる
今、会社の緊急マニュアルが、以下のように改訂の動きが出ています。
■上司が指示する在宅勤務やリモートワーク勤務が、国や自治体の指示に従うように改定。
■正規(就業規則で決められている)オフィスや顧客の勤務場所に戻るように改定。
■対面セミナーやイベントに参加できるように改訂。
■社内や社外の飲食制限が廃止に改訂。
■週に1日の出社日が、2日、3日と増加し最終的にフル出社に改定。
在宅勤務やリモートワークは、正式な勤務場所ではなく、緊急事態の作業場所だったからです。
在宅やリモート作業が出来る会社がホワイト企業に見える状況に
感染症の拡大は、経営層に対し新しい課題を突き付けます。
従業員に対して「柔軟な働き方」を認めざるをえなくなりました。
会社の勤務制度に「残業ゼロ」や「転勤廃止」、「シフト勤務」、「ワークライフバランス推進」、「出社したくなるオフィス創出」といった制度を提供しないといけません。
上記の勤務制度が無い会社は、ホワイト企業ではなくブラック企業とみなされます。
ホワイト企業でないと、投資家から、社員採用や社会貢献、CSRにマイナスイメージを持たれてしまいます。
経営者にとっては、頭の痛い話です。
会社は次年度(2023年4月)をめどに就業規則に「柔軟な働き方」を記述すべく労組や従業員と協議をすすめています。
上記と同時に、会社員の報酬や評価など人事制度を実力主義に変更する会社も多いでしょう。
感染終息をきっかけに、会社員の給料や職務が大きく変化するタイミングを迎えています。
感染の拡大時にDXをすすめるのは難しかった
樋口研究室の調査で、多くの管理職は、感染継続の2年6カ月の業績は「良くなかった」と言います。
感染終息後に、業績が戻ったとしても感染前の6~7割程度だろうと予測しています。
経営者や管理職は、感染拡大が継続した2年6カ月の期間は、会社のDX(業務改善やシステム効率化)を進めるのに良い期間だったと言います。
今から2年前。2020年下期から、多くの会社で製造販売や生産管理など基幹システム更新や刷新が始まりました。
しかしDXを2年間すすめた今現在、それが終了していない案件がたくさんあります。
紆余曲折でシステム更新を本番にしたものの大量の不具合が発生し、未だにDXに成功しない会社が多いようです。
このブログ発行の2022年9月は、会社は上期(9月末まで)業績評価や、次年度(2023年度)予算策定の時期です。
しかし事実として、今なおDXが進まず、従業員の実力が発揮されていないとか、感染終息後の需要や供給がつかめない、そういう状況が続いており、来年度の指標が決まらない会社が非常に多い状況です。
上記の原因は、DXスタートの初期の要件定義や設計で、自社と顧客の両方で在宅勤務やリモートワークなど制限状態に突入し、結果、要件定義の精査や検収がされておらず、開発とテストを進めてしまったからです。
そして今になって要件不足のエラーやトラブルが続出し、業務に支障が出ている状況です。
感染拡大の2年6カ月の間、自社や取引先で、管理職や従業員の「甘い働き方」や「管理不足」がずっと継続していて、現在の混沌とした状況を生み出しているようです。
感染の拡大時。会社員が仕事のやり方を知らなかった
感染の拡大は、地震や火事、洪水が発生した災害時と同じ状態です。
災害時に、復旧作業をしているにもかかわらず、通常業務を実行したら、混乱して様々なトラブルが発生するのは当然です。
営業職が、在宅勤務やリモートワークの状態でどんな営業活動していたのか、調査した会社によると、混乱の状況は以下のようなものでした。
■営業と顧客が双方で在宅勤務やリモートワークのため、電話やメールをしてもお互い返信や応答がない。
■注文や発注、調達、請求の作業が、オフィス前提の郵送や社内メール、コピーやFAX機を使う必要があり、そもそも在宅やリモードで作業が完結しない。
■印鑑やサインなど、営業と顧客の合意を示す行為が強引に割愛されてしまい、作業終了が明確になっていない。
■感染拡大が始まって、急いでクラウドやIT機器を選定した結果、パソコンやスマホ、ネットワークのキャパシティ不足が一挙に押し寄せ、営業に必要なログインやファイル管理が出来ない。
■画像や音声の遅延や、書類の破壊が生じた状態で、顧客とリモート会議やチャットを進めたので、会話のやり取りの日時や場所の記録が無い。
在宅勤務やリモートワークは、自社だけでなく取引先の顧客にも「曖昧」で「ゆるい」働き方を許してしまっていたようです。
この状況が継続する限り、感染終息後も会社の業績は良くならないだろう。管理職はそう言います。
在宅やリモートで業務のやり方がわからない
では、どうすればいいか。
営業職は対面営業を一旦中止し「リモートセールス」や「インサイドセールス」「反響営業」といった直接顧客に会わず営業活動する必要があります。
そうなると、以下のように、営業活動にひと工夫や努力が必要になるでしょう。
(1)テレアポは、顧客のレスポンスが無くてムダと思っても、とにかくしつこく継続する。
(2)顧客にリモート会議を提案する時、午前10時や11時だけでなく13時や14時、15時など、複数の時間帯を提案する。
(3)ウェブで製品説明セミナーに参加した顧客に、ギフト券を提供する。
(4)メール内に表記されたリンクをアクセスした顧客に、自社ポイントを付与する。
(5)顧客のオフィスに、自社の製品を展示するとか自販機を設置する。
(6)顧客にとって価値があるレポートやブログをネットで告知し、顧客が会員登録したあとに提供する。
(7)顧客の初回発注に対して、無料でサービス提供する。
(8)顧客が要望すると思われる補助金や助成金の申請を助けるような提案をする。
(9)InstagramやYouTubeなど、SNSやネットでコスパの高いインフラを活用し顧客への宣伝を試みる。
(10)常にリモートやテレ(電波)を意識した営業活動を実行し、いつ誰に何をリモートやテレで提供したか、緻密に記録を取りアプローチ継続する。
上記の作業は「さあ、今からやりなさい」と言われても、すぐに出来ないと言われます。
事前にリモートやテレを意識した営業活動マニュアルを作り、それを事前に営業職に研修や教育しておくことが大切です。
感染の終息後の人事評価はどうなるか
オフィスに毎日出社する社員と、オフィスに全く現れない社員がいたなら、管理職はどちらの社員を評価しやすいでしょうか。
管理職は、自分の目の前で直接、発言や行動する社員が、評価をしやすいと言います。
毎日、出社する社員と、出社しない社員の給料は、今後、差が付いてくる可能性があります。
「柔軟な働き方」では、これまで以上にご自身の仕事の成果を会社にアピールする。
これが今後、あなたの人事評価に影響を与える時代になるでしょう。
感染の終息後の仕事は、会社に対して明確に成果を出す実力主義に変化していくでしょう。
ご自身の持っているスキルや知識を、精査して磨いて、ご自身のキャリアアップに役立てるようにお願いします。
■樋口研究室からメッセージ■ 仕事を継続する行動はスポーツや運動で記録を伸ばしていく行動と似ています。スポーツ選手には必ずコーチがいて選手が間違った作業をしていないか、効率的に作業をしているか、常にあなたをアセスメント(観察)しながらアドバイスやサポートをしています。樋口研究室はスポーツだけでなく仕事をする時もコーチが必要だと考えています。ひとりで仕事を進めていくことは大切ですが日々の仕事の内容はひとりで太刀打ち出来ないほど複雑多岐で難しくなってきています。あなたご自身にコーチを採用してコーチと一緒に前進することであなたの前進力や行動力、突破力が二倍、三倍になると感じます。その結果、あなたが目標に到達する時間がひとりで行動するより二分の一とか三分の一に短縮されると思います。樋口研究室ではあなたのキャリア作りに役立つコーチングやセミナー、レッスンを数多く提供しています。この機会にぜひ樋口研究室をご活用いただけますと幸いです。 ■樋口研究室の「無料のトライアル・コーチング」。こちら>> ■樋口研究室の「セミナーの一覧」。こちら>> |