読書しました。432ページ!面倒そうな分厚い本。でもそれが・・
会社の年度末とか、2月から3月の時期。
いつも私の心は暗くなります。
それは、会社の決算とか、確定申告をしないといけない時期、だからです。
本書は、ページ数が、驚きの423ページ!
重くて、手に取るとずっしりくる、本です。
過去に、私もページ数が、726頁。枕(まくら)として使えそうな本(笑)を、執筆したことが、あります。
※参考※ 樋口研究室著。「ノーツドミノ」に関する、枕に使えそうな、726頁の本。
本書を、読み忘れないように、私のデスクの目につくところに、置いていました。
でも本書は、半年間、悲しく置きっぱなしに、なりました。
ところが、決算や確定申告の時期が、近づいてきました。
私は、少しやけくそになってきて、決算や確定申告の作業から、逃避しようと考えて、ようやくこの本を、読みはじめました。
本を半分、斜め読み。でもきちんと最初から読みたくなる。
この本の、前半は、簿記と会計の関係が、歴史の流れの中で、説明されています。
イタリアからイギリス、アメリカと、簿記や会計の歴史は、発展してきた。
聞いたことのある、経済の歴史。
最初はずっと、斜め読み、しました。
でも、本書は、後半から状況の変化、してきます。
出てくる出てくる。固定資産や原価計算や事業部制が生まれてきた背景。
18世紀の始め、アメリカで大量生産の仕組みが完成してくると、商品の供給過剰が、発生します。
1929年、株価の高騰で沸いていたアメリカで、株価が大暴落して、大恐慌が始まります。
それが発端で、証券の仕組みや監査が、強化されます。
そのまま、時はずっと進んで、それがリーマンショック(2008年9月)とか、東芝の粉飾決算(2015年7月)が発生します。
読み込んでいくと、今まで気になっていた、「固定資産」とか「減価償却」とか「原価計算」とか「配賦」とか「予算」など、それが必要になってきた背景とか、会社の事業部やドメインに関係していることが、とても身近になってきて、理解することが出来ました。
決算や確定申告。面倒くさい仕組みを考えた悪人は誰!?
でも、誰がこの面倒くさい、簿記や会計の仕組みを、考え出したのでしょうか。
本書を読んでいると、毎年、税務処理に悩まされる、怒りがこみあげてきました。
この、面倒くさい、税務処理の仕組みを考えだした悪人は、誰!?
そう思い始めたら、読み飛ばしたところを、読み返し始めて、過去の歴史で、諸悪の根源を作りだした創設者を、突き止め始めたく、なってきます。
イタリアで簿記が生まれて、イギリスで証券が育って、アメリカで会計に成長していく様子が、わかって、最後に、諸悪の根源の悪人達を、突き止めることが、出来ます。
結局、432ページの分厚い本を、最後まで、読み終えてしまうような、悪魔の誘惑?を持った、本の構成に、なっています。
簿記と会計の歴史。ダビンチとビートルズは友達みたい。
本書の最初のところで、500年前の、レオナルド・ダビンチが、商売の達人だった事例が、登場します。
本書の最後のところで、1990年代に、ビートルズの著作権を、マイケルジャクソンが購入した事例が、登場します。
この事例が、簿記や会計の世界では、全てつながっているようです。
現在の、古い簿記や会計のやり方から、新しい科学的なファイナンスというやり方に発展していく歴史が、著者によって、述べられて、本書は終了します。
簿記や会計。しっかり理解しても、会社の評価はできない。
本書を読むと、読者のみなさんは、会社の決算書を理解して、会社の経営の状態が、わかるようになる、とか、思うかもしれないですね。
でも、それは、まったく逆だと、わかります。
会社の経営や、企業の価値は、簿記や会計や決算書を、しっかり眺めても、うまくいっているかどうか、全くわからない。
そういうことが、理解できます。
歴史を使って、今の簿記や会計の悪いところをあぶりだして、これから必要な新しい簿記や会計の仕組みを、解説する。
私は、本書の目的が、そんなところにあるのかなあ、そんな感じがしました。