会社員には少し楽観的な本
鈴木裕著「YOUR TIME ユア・タイム」を読みました。
本書は、時間の考え方や使い方の常識を覆すような斬新な提案が満載で、とても面白かったです。
しかし、会社員にとっては、あまりにも楽観的な主張かもしれないと思いました。
時間は考え方で大きくもなり小さくもなる
本書では、時間は絶対的なものではなく、主観的なものであると、書かれています。
時間の使い方というのは、能力ではなくてご自身の考え方であり、それによって大きくもなり小さくもなるといいます。
時間の無駄にこだわらないことが大切なこと、無駄を享受することが大切なことなどが説かれています。
自分と会社の時間の使い方は違う
しかし、会社員は、時間は一年ごとに明確に区切られていています。
上記の一年の目標や成果が設定され、それが上期と下期でチェックされます。
そして一年の終了後に目標や設定の出来具合が会社から評価され、給料や待遇に反映されます。
会社では、実力主義や成果物評価が今後さらに加速し、会社ごとにトップダウンやスピード感が厳しくなっていくと思われます。
そのため、会社員にとって、本書に書かれているような、余裕を楽しむとか、無駄を教授するような気分ではない状況だと思います。
とはいえ、私が感じたのは、ご自身が会社のペースにずっと乗せられていると、身も心もつかれてしまって、何もやる気がなくなってしまうだろう、ということです。
会社以外に自分の時間の使い方を持つ
本書を読むと、時間の使い方や考え方は、結局、自分自身に任されていることがわかります。
会社の時間の流れ以外に、自分の時間の流れを、確保することが、より重要になってくることが、わかります。
会社にいる時間を少なくして、自分の好きなことや興味のあることをするとか、趣味やボランティアの時間をつくるなど、自分の自由になる時間を確保することが、今後、大切になってくることが、わかります。
結局、会社の時間と自分の時間の、オンとオフをきちんと切り替えて、オンの時間はしっかり効率化をめざし、オフの時間ではゆっくり自分の時間を流す。
こういう時間の使い方が、会社員やご自身の体力や知力の温存、熟成、鍛錬し、会社の厳しい実力主義や成果物評価を乗り切っていくために大切。
そういうことが、わかってくると思います。
新しい時間の使い方や考え方を知る
本書を読むと、時間の使い方や考え方について、新しい視点を得ることができると思います。
会社員の方は、より充実した人生を送るためのヒントを、見つけることができるかもしれません。
おすすめしたい一冊です。