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「ITコーチング」というのは、エンジニアのパフォーマンス向上やスキルアップを実現するコーチング手法のことです。 コンピュータの世界は、すべてがゼロとイチの世界で動いています。皆さんは、これをプログラムやシステムに活用して、仕事や生活で使っています。 しかし、仕事の現場を見ると、いまだに失敗を繰り返しています。コンピュータは正確に動くはずなのに、なぜこんなに失敗が多いのか。これをよく考えてみると、コンピュータを作ったり動かしているのは人間だということに気づきます。 人間の世界は、ゼロとイチとの間に血と汗が流れている世界でもあります。この存在を認識しないでコンピュータの仕事をするからうまくいかないのです。 筆者はIT業界で、アーキテクトという職業についています。アーキテクトは建築業でいうと建物の設計図を書く人ですが、コンピュータ業界でも、それは同じです。事前にアーキテクトが、コンピュータ・システムの構造をしっかりと考えて、設計やプログラミング、プロジェクト管理、製品開発、セールスなどの仕事をすると良いものが作れるようになります。 仕事を成功させる手順やスキル、ドキュメントや製品、ツールなどは、世の中に山ほどあります。しかし、それを使うのは人間なのです。もしこの人間が、仕事を成功させる良い手法や製品があることを知らなかったら・・・。もし知っていても、それを間違って使っていたら・・・。そうするとすべては宝の持ち腐れで、仕事は失敗に終わってしまうでしょう。 コンピュータの世界で活躍するアーキテクトは、コンピュータの仕組みや構造に着目することが原点ですが、それと同様に、もっと原点に立ち戻って、コンピュータ・システムを使う人間の行動や心理に目を向けます。その品質を向上させると、自然にその先にあるコンピュータに関わる仕事や、開発、管理、セールスの品質も向上します。 こうしたコンピュータを扱う人間の心と行動の構造、いわゆる「人間のアーキテクチャー」に着目して、生産性の向上を達成させる手法。これをITコーチング(ITプロフェッショナル・コーチング)といいます。 興味がありましたら、この本を読んで、ITコーチングのスキルを、会社やグループで使ってみてください。うまく使えたらそれで良し。うまく使えなかったら、使えなかった理由を考えてみてください。 樋口研究室に来て、ITコーチと一緒に、うまいITコーチングの使い方を考えてみるのいいと思います。そうすると、今まで思いつかなかった方法が発見できると思います。 素早く、効率的な行動を起こす。そういう自分改造のツール。これがITコーチングです。今すぐ活用してほしいと思います。 |