オフィスでの一日

読書しました。踊子(おどりこ)と一緒に、自分の頭の中を躍らせてみる。

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はじめて日本の文学を読みました。

私は、ITとかコーチングの記事や本を作っていますが、読書といえば、新聞を読むぐらいしか、やっていなくて、特に、日本の文学の小説は、読んだ経験がありません。
そこで今回、読んでみようと思ったのが、この本でした。

どうして、この本を読もうと思ったのか。

今年の2019年9月、全国で、台風の雨や風や河川の氾濫が起こりました。
そんなところ、私の頭の中でふと、「天城トンネル(旧天城隧道)」を思い出しました。
昨年の2018年5月ごろ、NHKでブラタモリという番組があって、そこで、伊豆の天城山脈の、南北を貫通させるために、難しい工事をやって、悲願の、天城トンネルを完成させた内容を、紹介していたことを、思い出したからです。
そんな、困難な様子が、私の頭の中で、災害と天城トンネルが結びついて、本書を読んでみようと、感じたわけです。

自分探しする学生が踊子に恋をする。

物語の進み具合は、たいへんシンプルでした。
主人公の学生は、この先、自分はどう生きていけばいいのだろう、そう迷っていて、ある季節が秋のはじめに、伊豆半島で、自分探しの旅を始めます。
修善寺から湯ヶ島を経て、天城山を越えて河津、下田に抜けて、そこから船で東京に戻るという、伊豆半島を南下するルートのようです。
その旅の途中で、旅芸人の踊子の一座と出会って、そこにいた十四歳の若い踊り子に、思慕をいだきます。
主人公の学生は、この踊子の一座と一緒に、伊豆半島を南下しながら、自分の生き方のイメージを追いかける旅をしていく、そういう内容です。

学生は朝から晩まで温泉につかって思いにふけていた。

文庫本で30ページほどの短編ですが、この本を読んで、私なりに色々と思うことがありました。
驚いたのは、主人公の学生が、伊豆の旅で宿泊するたびに、朝に温泉に入り、昼に温泉に入り、夜に温泉に入り、夜中に温泉に入り、その間で、学生が、踊子や景色や自分の人生など、色々なことに瞑想(めいそう)をめぐらしていたことです。
とくに学生は、若い踊子に、ほのかな恋心を抱いて、旅をしています。
学生の想いの中心は、ずばり、若い踊り子のことばかりです。

学生が踊子に想う耽美な描写がきれい。

著者は、学生が若い踊り子に対する想いを、踊子の「美しく光る黒眼がちの大きい瞳」とか、踊子の「二重瞼の線が言いようなく綺麗」とか、踊子の「彼女は花のように笑うのだった」という感じで表現していて、読者が自由に、若い踊子の美しさや官能の様子をイメージできるように、描写します。
小説の中では、踊子に対する耽美(たんび)で感性の豊かな描写が描かれていて、著者が二十七歳の若さで書いた作品とは思えなかったほどに、驚くほどでした。

毎日、自分の頭を躍らせて(回転させて)仕事の振り返りをしてみたい。

私はこの本を読んで、主人公の学生のように、温泉につかりながら、とはいかないまでも、毎日の出来事の良し悪しを、じっくり考えながら、まるで主人公の学生が頭を回転させて、そして踊子が舞う(踊る)ように、振り返りしながら、こなしていくことが大切なのかなあ、そう思いました。
毎日、余計なことに頭をグルグルと回転させるよりも、余裕をもって、毎日の出来事を考えるようなタイミングや場所がほしいなあ、と感じました。
本書を読んで、めくるめく自分の頭の中を、踊り子の世界の中に、めぐらせたような感じがして、読後はとても新鮮な感じがして、とても良かったと思いました。

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